後期高齢者医療制度では次のような給付を受けることができます。

※医療保険制度の見直しにより次の点が改正されます。

 ・食事療養標準負担額(令和6年6月から)

 ・生活療養標準負担額(令和6年6月から)

 ・高額医療費の自己負担限度額(令和4年10月から)

※医療保険制度の見直しにより次の2点が改正されます。

 ・高額医療費の自己負担限度額(平成30年8月から)

 ・高額医療・介護合算制度の自己負担限度額(平成30年8月から)

療養の給付(お医者さんにかかるとき)

 お医者さんにかかるときは、保険証を忘れずに窓口に提示してください。

 自己負担額は、かかった医療費の1割(現役並み所得の方は3割)となります。  

 ※一定以上の所得のある方は、現役並み所得者(窓口負担割合3割)を除き、

  医療費の窓口負担割合が2割となります。詳しくは、こちら をご覧ください。

療養費(医療費の払い戻しが受けられる場合)

 次のような場合、一度全額自己負担していただきますが、市町村の担当窓口に申請して認められると、自己負担分を除いた額が支給されます。

  • やむを得ない事情で保険証を持たずに受診したとき
     ☆申請に必要なもの:保険証、診療内容明細書、領収書、印鑑、預金口座情報がわかるもの
  • 海外渡航中に治療を受けたとき
     ☆申請に必要なもの:保険証、海外療養費に関する調査に係る同意書、診療内容明細書(日本語訳文の添付が必要)、領収書、パスポート等の写し(海外への渡航が確認できるもの)、印鑑、預金口座情報がわかるもの、
  • 医師が必要と認めるコルセットなどの補装具代や、輸血した生血代がかかった時
     ☆申請に必要なもの:保険証、医師の同意書・診断書等、領収書(明細書が必要)、印鑑、                 預金口座情報がわかるもの
  • 医師が必要と認めた、はり・きゅう・マッサージなどの施術を受けたとき
     ☆申請に必要なもの:保険証、医師の同意書、明細がわかる領収書、印鑑、預金口座情報がわかるもの

高額療養費(医療費が高額になった場合) (令和4年10月改正)

 1か月(同じ月内)の医療費の自己負担額が、下表の自己負担限度額を超えた場合、申請して認められると自己負担限度額を超えた分が高額療養費として支給されます。

 はじめて支給対象になった人には、広域連合から申請書を送りますので市町村の担当窓口に申請してください。一度申請すると、それ以降は自動的に支給手続 きを行い、広域連合からお支払いする金額をお知らせします。  

       <平成30年7月まで>

こうがくH30 

      <平成30年8月から>

 こうがくH30。8

      <令和4年10月から>

高額R4.10~

配慮措置について(令和4年10月から) 

 2割負担となる人については、自己負担割合の引き上げに伴う1か月の外来医療の負担増加額を3,000円までに抑える配慮措置があります。(令和7年9月30日まで)

配慮措置が適用される場合の考え方は以下のとおりです。

・1か月の外来医療費全体額が50,000円の場合

   配慮措置

 配慮措置 図

  ⇒所得区分の詳細はこちら

  • 自己負担限度額は、「外来(個人単位)」、「外来+入院(世帯単位)」の順に適用します。
  • 同じ世帯内に後期高齢者医療制度の被保険者が複数人いる場合、医療機関・診療科の区別なく合算 します。
  • 入院時の食事代 や保険がきかない差額ベッド料等は支給の対象外となります。
  • ひとつの医療機関で医療費が自己負担限度額を超える場合、窓口での支払いは自己負担限度額までになります。(超えた部分は広域連合が直接、医療機関にお支払いします。)
  • 低所得者Ⅰ・Ⅱの人は「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要になりますので市町村の担当窓口で事前に申請してください。
  • 平成30年8月から、現役並み所得者Ⅰ・Ⅱの人は「限度額適用認定証」が必要となりますので、医療機関の窓口に提示してください。提示がない場合は、現役並み所得者Ⅲの限度額が適用されます。(実際の負担区分との差額は、高額療養費として後日支給されます。)
  • オンライン資格確認を導入している医療機関においては、マイナンバーカードの保険証利用をすることで「限度額適用・標準負担額減額認定証」や「限度額適用認定証」の提示が不要となる場合があります。
  • 月の途中で75歳に到達し後期高齢者医療制度の被保険者になる場合、その月は、それまで加入していた医療保険制度(国保、被用者保険)と、後期高齢者医療制度の自己負担額はそれぞれ2分の1になります。
  • 高額な治療を長期間継続して受ける必要がある厚生労働大臣が指定する特定疾病(先天性血液凝固 因子障害の一部、人工透析が必要な慢性腎不全、抗ウィルス剤を投与している後天性免疫不全症候群(HIV感染を含み、厚生労働大臣の定める者に係るものに限る))の場合の自己負担限度額は、10,000円です。「特定疾病療養受療証」が必要になりますので市町村の担当窓口で申請してください。

高額医療・高額介護合算制度 (平成30年8月改正)

  後期高齢者医療制度の被保険者がいる世帯で、後期高齢者医療保険と介護保険の両方から支給を受けたとき、8月から翌年7月までの1年間の両保険の自己負担額を合算して、下表の自己負担限度額を超えた金額を高額介護合算療養費として支給します。

 なお、後期高齢者医療分は広域連合から、介護保険分は市町村から、それぞれ別々に支給されます。

 また、支給申請についての時効は、原則として計算期間の末日(基準日)の翌月から起算して2年間です。

支給を受けるためには申請が必要です。

             <平成30年7月まで>

合算する場合の自己負担限度額
(年額8月~翌年7月)
所得区分 自己負担限度額
現役並み所得者 67万円
一般 56万円
低所得者Ⅱ 31万円
低所得者Ⅰ 19万円

             <平成30年8月以降>

合算する場合の自己負担限度額
(年額8月~翌年7月)
所得区分 自己負担限度額
現役並み所得者                  Ⅲ(課税所得690万円以上) 212万円
現役並み所得者                   Ⅱ(課税所得380万円以上) 141万円
現役並み所得者               Ⅰ(課税所得145万円以上) 67万円
一般(課税所得145万円未満等) 56万円
低所得者Ⅱ 31万円
低所得者Ⅰ 19万円

 

入院時食事療養費(入院したときの食事代)(令和6年6月改正)

 入院したときの食事代は、1食当たり下記の標準負担額を自己負担します。

 「低所得者Ⅰ」、「低所得者Ⅱ」の方は、入院の際に「限度額適用・標準負担額減額認定証」が必要です。

 お持ちでなければ市町村の担当窓口に交付申請をしてください。

 オンライン資格確認を導入している医療機関においては、マイナンバーカードの保険証利用をすることで「限度額適用・標準負担額減額認定証」の提示は不要となる場合があります。

<表1> 入院時食事代の標準負担額(1食あたり) 
所得区分 標準負担額(1食あたり)
現役並み所得者・一般   490円※1
低所得者Ⅱ 90日まで入院 230円
過去12か月で
90日を超える入院
  180円※2
低所得者Ⅰ 110円

  ※1指定難病患者の方、平成28年3月31日において1年以上継続して精神病床に入院しており、
       平成28年4月1日以後も引き続き医療機関に入院している方は、280円になります。
   ※2適用を受けるためには、90日経過後に「長期入院該当」の申請が必要です。
       後期高齢者医療制度加入前(他保険加入時)の入院日数が加算できる場合もあります。

入院時生活療養費(療養病床に入院したときの負担額)(令和6年6月改正)

 療養病床に入院した場合は、食費と居住費の一部を自己負担します。
 療養病床とは、症状が安定しているが長期の療養が必要とされる、主に慢性疾患のために病院内に設けられた病床(病棟)のことです。医療保険が適用される医療型病床と介護保険が適用される介護型病床があります。

<表2>  食費・居住費の標準負担額
  1食あたりの食費 1日あたりの居住費
現役並み所得者、一般   490円 ※ 370円
低所得者Ⅱ 230円 370円
低所得者Ⅰ 140円 370円
低所得者Ⅰ
(老齢年金受給者)
110円 0円

  ◎入院医療の必要性が高い方(人工呼吸器、静脈栄養等が必要な方や難病の方など)の居住費は、
     平成29年10月から200円、平成30年4月から370円となりました。
     食費については、表1 入院時食費代の標準負担額が適用されます。
     ※管理栄養士等よる栄養管理などが行われている保険医療機関の場合です。
       それ以外の場合は450円です。

 

その他こんな費用も支給されます

☆移送費
 移動が困難な重病人が緊急的にやむを得ず医師の指示により転院などの移送に費用がかかった時、申請によって広域連合が必要と認めたとき支給されます。                                         

 ※次のすべての項目にあてはまる場合に限ります。

  • 移送の目的である療養が保険診療として適切であること
  • 患者が療養の原因である傷病により移動が困難であったこと
  • 緊急その他やむを得ないと認められること
     申請に必要なもの
    • 保険証 
    • 医師の意見書 
    • 領収書 
    • 移送経路を確認できるもの   
    • 印鑑  
    • 申請者の預金口座情報がわかるもの  

☆葬祭費
  被保険者が亡くなられたときは、市町村窓口で申請を行うと、葬祭執行者に対して、葬祭費2万円が支給されます。  
  申請に必要なもの    

  • 印鑑
  • 申請者が葬祭を行ったことを確認できるもの
  • 申請者の預金口座情報がわかるもの

マイナ保険証をご利用ください

 マイナ保険証を利用すれば、事前の手続きなく、高額療養費制度における限度額を超える支払いが免除されます。限度額適用認定証の事前申請は不要となりますので、マイナ保険証をぜひご利用ください。